「君の名は」の歴史的大ヒットでめちゃくちゃ有名になった新海誠監督の最新作、「天気の子」を見てきました。
一言で感想を言うと
ギャルゲーのトゥルーエンド映像化
に他ならないと思います。
勘違いされたらアレなんで言いますが、めちゃくちゃ最高の作品でした。
僕は考察とかあんましないので、とりあえず感情を爆発させて感想を書いていこうと思います。
ネタバレを含みますので、まだ観ていない人は是非とも観に行ってください!!
懐かしさを感じる最新型セカイ系アニメを観た
皆さんは「セカイ系」っていうジャンルをご存知ですか?
Wikipediaとかを見てもよくわからんと思うのでカンタンに解説しますが、主人公とヒロインとの関係性がそのまま世界危機などの問題に発展するストーリー展開のことを言います。
「セカイ系」っていう単語には色々な意味があるので断定は出来ないんですが、とりあえず僕はこのように解釈しています。
んで、今回の「天気の子」はまんまセカイ系の作品だなと思いました。
主人公である「森嶋帆高」とヒロインである「天野陽菜」の選択によってセカイを大きく左右するってのはマジでセカイ系だなと。
「世界」と「女の子」のどちらかを選ぶ、みたいな作品は正直ありがちというか、どっかしらで観たことあるストーリーだとは思うんですけど、それゆえに最高なんですよね。
巷では「天気の子はエロゲー!ギャルゲー!」って感じで騒がれてますが、エロゲー・ギャルゲーをそこまでプレイしていない僕でも言わんとしてることは分かります。
2019年令和元年にこんな懐かしさを感じる作品を観れるなんて、みたいな感動もあったりするんですよね。
自分の人生において「そっち方面」のオタク街道を歩いてきたか歩いてきてないかで評価が分かれる作品だな~と思いました。
[prpsay img=”https://zukkazu.com/wp-content/uploads/2019/05/new-icon-nawi-up.jpg” name=”ズッカズ”]擬似家族的な要素とかやっぱ最高だよね[/prpsay]
ありがちだけど常識をぶっ壊す内容
「セカイ系」ってジャンルに一括りにして語ってきましたが、「天気の子」に関してはセカイ系ジャンルでもかなり特殊な存在になってると思います。
超ありがちなストーリーだと、
- 世界か女の子のどっちかが消えるよ
- 女の子消えちゃったよ
- でもどこかで生きてて会えるかもね
みたいな感じになると思います。
実際僕も途中までは「こんな感じになるんかな~」って思いながら視聴していました。
もしくは何だかんだでどっちも上手い具合に救われるのかな~っていう超ハッピーエンドかなと。
全然違いました
ヒロインの気持ちを優先させて世界ぶっ壊れエンドでした。
帆高が終盤で口にする「天気なんて狂ったままでいい!!」っていうセリフがこの作品のテーマになってんのかなって感じましたね。
物語の途中で須賀さんが「1人の犠牲で人類救われるならそれでいい」みたいなセリフを吐いたと思うんですが、赤の他人の僕らからすればマジでそう思う出来事だと思います
[prpsay img=”https://zukkazu.com/wp-content/uploads/2019/05/new-icon-nawi-up.jpg” name=”ズッカズ”]名前も知らん誰かが犠牲になれば天気が戻るんでしょ?それでいいやん[/prpsay]
って思いになると思うんですが、主人公・ヒロインからしたら堪ったもんじゃないですよね。
世界のために女の子が犠牲になる必要なんてなくね?っていう今までのセカイ系とは一味違うストーリーが最大の魅力かなと思います。
「子ども」という最強設定
近作に出てくる「大人」はめちゃくちゃ分かりやすい形で主人公とヒロインの障害になってます。
補導という形でバラバラにされそうになったり、帆高が拳銃を持っちゃったことで逮捕されちゃうシーンだったり。
そんな中でも一番デカイのが、陽菜を助けに帆高が廃ビルに駆け上がるシーンだと思います。
須賀さんがやんわりと諭したり、警察が逮捕しようとするなど、大人たちが言ってること、やってることはマジで真っ当なんですよね。
大人からすれば主人公の言動はバカだしガキだしで何言ってるかわかんねぇってのもフツーに理解できます。
「連れ去られたから助けに行く?は?」って僕も大人としてあの場にいたら思ってしまうでしょう。
そういった大人の凝り固まった常識をぶっ壊すってのが堪らん構図になってるんだと思いました。
大人には出来ないことを子どもが実行するってのが、ありがちであり最高な展開なんですよね。
帆高からすれば陽菜が空に連れて行かれちゃったのが現実であり常識なんだから、大人の事情に対して拳銃突きつけて「ジャマすんなよ」って叫ぶシーンは非常に熱かったです。
上で書いたように、「1人の犠牲で人類救われるならそれでいい」みたいなことは大人の常識であって、子どもだったらそんな発想にならないんだと思います。
陽菜を犠牲にするなんて、帆高からすれば一番ありえない選択ですからね。
大人と子どものギャップがかなり良い味を出していました。
以下、細かい感想
全体的な感想は上で書いたような感じでした。
内容の細かい感想とかもツラツラ書いていきます。
ソフトバンクのお父さん探しなんてやるな
開始前にソフトバンクのお父さん(白い犬)を探してみてね!みたいなキャンペーン映像が流されるんですが、上映開始1分で忘れました。
そんなしょーもないことに気を取られてるヒマはないです。
「ウォーリーを探せ ver天気の子」は円盤が発売されたら各々が軽い気持ちで楽しむ程度でいいと思いましたね。
[prpsay img=”https://zukkazu.com/wp-content/uploads/2019/05/new-icon-nawi-up.jpg” name=”ズッカズ”]ってかこんなキャンペーンやるな[/prpsay]
ヒロインとの話が進むまで長いと感じた
映画の前半は主人公である帆高が東京を彷徨ったり、須賀さんの元で働く内容なんですけど、そのシーン長くね?って感じました。
前半のテンポおっせぇなって思う部分がちょいちょいあったので、そこが少し気になりましたね。
RADWINPSのタイミングが完全に章の移り変わり
今作はところどころに主題歌を担当しているRADWIMPSの楽曲が流れます。
そこまでRADWIMPSを聞いてないので「ふ~ん」って感じだったんですが、流れるタイミングはかなり分かりやすかったですね。
あ、ここからストーリーがちょっと変わるなって部分で的確にRADが流れてる印象を受けました。
特に違和感もなかったし気になる部分もなかったので、単純にオモロイ使い方するな~って感じでしたね。
瀧くんと三葉が出てたみたい
僕は前作の「君の名は」観ていないんですが、どうやら前作の主人公たちが出てきていたみたいです。
瀧くんはおばあちゃんの家に出てきた孫で、三葉は帆高が指輪を選ぶときに出てきた店員さんですね。
全然ピンと来てませんでした。
花澤香菜と佐倉綾音の役名がまんまだった
陽菜の弟である「先輩」こと凪の彼女、元彼女役として出てきたカナとアヤネですが、中の人の名前をそのまんま使っててちょっと笑いました。
観ている最中に「ん?」ってなり、エンドクレジットで「これは草」って感じになりましたね。
オタクには堪らん采配でした。
本田翼の演技は悪くなかった
ツイッターとかで「君のそーつぉー通りだよ」って部分だけ切り取られて、本田翼の演技がヤバイ!みたいな騒がれ方してましたが、別にそこまでひどいわけじゃなかったです。
普通に声優使えよって思いはありますが、騒ぎ立てるほどひどくはなかったかなと。
むしろ「君のそーつぉー通りだよ」って部分だけフィーチャーされたせいで上映中にちょっと笑うハメになりました。
ネガキャン、よくない
凪くんとの関係、一気に好転しすぎ
凪くんと帆高が最初に出会ったころ、凪くんは「なんだあいつ…」って感じで良い印象はなかったんですが、結構早めに仲良しな関係になってます。
二人の関係の発展は本編とは関係ないのでカットして当然だとは思いますが、ちょっとだけ違和感はありましたね。
ゲーム版「天気の子」では補完されることでしょう(希望的観測)。
帆高・陽菜・凪の擬似家族、最高
警察が陽菜の家に来て、帆高が「みんなで逃げよう」っていうシーン。
後先考えないクソガキ感があって非常に良かったですね。
大人だったら「いや無理だろ、そんなの」って思っちゃうんですけど、とりあえずバラバラにならないように行動するってのは上でも書いたギャップに繋がると思います。
須賀さんのラストのセリフ、メッセージ性強い
須賀さんが3年後の帆高に対して「お前らが世界を変えたなんてただの思い込みだ」みたいなセリフを言うんですが、これ結構良いセリフだと思うんですよね。
セカイ系全般へのメッセージというか、子どもが世界っていうクソデカイ相手を変えられちゃうほど世の中カンタンじゃねーよ、みたいな励ましのセリフにも取れますし、個人的に印象的なセリフでした。
子どもにたかるのはどうかと思うけど、須賀さんはやっぱかっこいいシーンが多かったですね。
帆高が自分と似た感じで東京に出てきたっていう共通する部分があったからこそ、最後のシーンで警察殴り飛ばしたり、気付かないうちに涙が出ちゃったりしたんだと思います。
映像はやっぱ綺麗
新海誠作品はアニメーションとは思えない映像美が有名ですが、当たり前のように今作も健在しています。
花火のシーンとかもめちゃくちゃ綺麗だったし、街並み1つを取っても「これ実写か?」って勘違いするレベルに作りこまれてます。
映像だけでも一見の価値ありですね。
まとめ:最高の映画だった
映画を観てから数日が経ちましたが、まだ何となく引きずっている自分がいます。
初めて「秒速5センチメートル」を観たときと似たような感情。
こういう風に感情が揺さぶられるってことは名作ってことなんですよね。
見終わった直後は「フツーにおもろかったわw」みたいな感じだったんですが、時間が経つに連れて「はぁ~やっべぇ作品だったなぁ~」って思いがどんどん溢れてきています。
マジで観てよかったです。円盤買います。
ちなみにパンフレットは買いました。
監督の制作秘話みたいなことも書いてあるので、より映画を楽しみたい人は購入してみましょう。
全員が全員、「名作!」と言う映画ではない気がしますが、一定の層にはバッチバチにハマりますし、それ以外の層の人も色々なシーンから考えることが多くなる作品だと思います。
2回目、3回目と観てもいいかもってレベルでいい作品だったので、まだ観ていない人はマジで見てほしいですね。
ネタバレ全開の記事なので観ていない人はここまで読んで無いと思いますが。
とりあえずそんな感じでした。
天気の子、オススメです。
そりでは。